研究社第三版

高校卒業後、大学に入るまでの一年間、日本語教師養成講座に通っていました。
英語の専門学校が母体だったので、半分近くは英語の授業。
実はこのこと(英語の授業があったこと・・というか
その量を、)つい最近まで忘れていました。
週末は短期大学の通信講座。スクーリング。
死ぬほど、勉強しました。

英語の授業はネイティブ教師と日本人教師と半々ぐらいだったでしょうか。
そのなかで1人、お会いした日本人の先生。
強烈な印象で今でもはっきりと思い出せるお声と口調。
髪はいつもきれいにセットされ、メガネをかけ
三つ揃いのスーツできちんとしたダンディーな装い。
私たちは当時、トミーと呼んでいました。

厳しい方でしたが、
いつもおっしゃっていたことがいまでも
私の中に強く残っています。

”英語ぺらぺらのぺらぺらはうすっぺらのぺらぺらなの。
意味のないことをペラペラしゃべっても仕方ないでしょう。
中身のある英語を話せるようになりなさい。”

研究社第三版を買うように薦められ
一度調べた単語には赤い線を引くように言われました。

”一度調べたところは赤い線を引きなさい。
二回目ひいた時に、あ、調べたことがある単語だとわかるように。
3回目ひいた時に、自分がどれだかバカなのかわかるように。ヒッヒッヒ”

お得意のトミー’s ジョークでした。

私の研究社の第三版は一年でボロボロに・・・とまでは行きませんが
赤い線だらけになりました。先生の頭のなかには辞書の全ての言葉が
入っているようでした。

そういえば、先生、お元気かしら・・・と初めてネットで調べてみました。
なんと現役でまだ講座を持っておられる!!
昭和6年生まれの先生です。

講座の説明に、

”よく読み書きはできるのに聞き取れないという相談を受けますが、
それは語彙力不足です。知らない言葉はいくら聞いても聞き取れないのです。”

ああ、よくそうもおっしゃっていました。
トミー節健在です。

一度お会いしなければ・・・・その前に英検1級ぐらい合格しておかないといけませんね。
今では電子辞書一辺倒ですが、私の研究社の第三版
久しぶりに開いてみたくなりました。

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