ネイティブ信仰

語学を習うならネイティブの先生に・・・と誰もが思うと思います。
自分が日本人ではなかったとして、日本語を習いたかったら・・
やっぱり日本人に習いたいと思うと思います。

でも、日本人なら誰でもいいのでしょうか。

日本語教師になるためには、420時間以上の養成講座に通うか
日本語教育能力検定への合格が最低限の条件だと思います。
教育能力検定の今の動向は把握していませんが、
そんなに簡単な試験でもありません。

日本語教師は、様々な文化を通したあらゆる角度から来る質問に
それはそれは鍛えられます。日本人相手に教えるような心積もりでは
恐らく通用しないでしょう。日本人はいろんな意味で素直で従順、
大人しく先生の言うことによく従う・・というスタイルの人が多いと思います。

中国人は日本人に近いですが、欧米系は直球ストレートです。
準備した教案も「これは私には必要ありません。」「このやり方は私には向いていない。」
とばっさり・・・・ということも少なくありません。
数年前に10年ぶりぐらいに中国人のクラスを担当した時に、あまりの素直さに
物足りなかったぐらい(笑)

今でこそ、あまり言われなくなりましたが
一昔前は”日本語教師?日本語なんかオレでも教えられるよ”なんてよく
言われていました。

でも、実はこの”話せれば教えられる”というのは日本人の中に根強く残っています。

英語圏のネイティブであれば、誰でも教えられると思っている方が
非常に多いと思います。もちろん、中には専門の訓練を受けずとも偶然
上手な方もいると思いますが・・・
駅前留学系の学校のネイティブ教師は、専門の研修を受けた・・・と言っても
たったの一日とか、そういう場合が多く、専門家・・というには程遠いでしょう。

中にはすばらしい先生もいるでしょうが、
”話せるようになる語学レッスン”を受けたことがない日本人が
どうして語学レッスンを評価できるでしょう。
”何か違う・・・”と思っても、何が違うのか、問題点を具体的に
指摘できる人は少ないはずです。
そういう語学後進国である状態がネイティブ信仰からいつまで経っても
抜け出せない元凶であるような気がしています。

留学できれば、海外在住できれば、それが理想的でしょう。
でも、そうしなくても、十分に英語なぞ話せるようになると思います。
日本に長年住んでいても全く日本語ができない人も多くいます。
住むことが絶対条件ではないと思います。
自分次第なのは何事も同じですね。きっと。

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