受け身で覚えるというコツ

一般的に日本人が語学というと、文法を覚えて、語彙を覚えて・・・
文法を積み上げれば、いつか話せる・・・とそういう教育を受けて
来ていると思います。

単語リストや単語帳で語彙を意識的に暗記し、
文法も、語順入れ替え問題や、様々なドリルで
徹底練習!!日本人は本当に勤勉です。

全くとはいえませんが、このような練習は
どんなにやっても、まず会話力にはつながらないと思います。

例えば、語彙の覚え方ですが、出る単などにあるような
2,3語の日本語訳で無理やり覚えるという方法は最もオススメしません。

このやり方が有効なのはごくごく初期の超基礎語彙の段階で
(特に名詞。動詞や形容詞は基礎語彙でもズレるかも)
語彙数が増えれば増えるほど、日本語とその言語の意味領域、
使用場面にズレが生じるため、その語彙が、どんな場面でどういう
文章で、”どのように使われているのか”ということを何度も
耳にして、目にして、日本語との違いを大まかにでも理解したとき
その語彙を本当の意味で記憶したことになると思います。

字幕などの翻訳は一度目にしたものは、”保留状態”で記憶にとどめ
他にはどのように使われているのかを何度も聞いたり、読んだりすることで
自然な定着を待ったほうがいいと思います。
一度目にした翻訳でインプットをすると、その日本語の使用場面や意味領域で
インプットされてしまうため、ズレるのです。

一つの概念を表す言葉を二つの言語で比べた場合、
二つの円がきれいに重なるように、二つの言語で意味がぴったり一致するのは
あまり多くない気がします。必ずどこか二つの円がずれるように、重なる部分と
重ならない部分があり、重ならない部分を感覚でつかめるぐらい、耳から、文字からの
十分なインプットののちに、自然な語彙力がついていくと思っています。

語彙を覚える時は、すぐに日本語にして覚えない・・・
使用場面を何度も受け身で体験し、自分の中に意味が自然に落ちてくるのを待つ・・・
というのがコツだと思います。

日本語の”覚える”と”思い出す”と”忘れる”の住み分けが外国人にはなかなか
定着しません。どれもrememberが絡むからですね。

このズレを意識せずに、日本語脳でつっぱしった語学習得は、文法的には合っていても
何を言っているのかまったく通じない、外国語をマスターすることになりかねないのです。

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