クリティカルリーデイング

この本に出会い、日本の国語教育が世界でかなり特異なものであることを知りました。

学生時代に中学生のための塾で国語を教えていましたが
”国語”という科目は私にとって勉強しなくてもできる科目で
塾でも教えている手応えのようなものがはっきりなかったような・・・。それよりも、自分の言葉で自分の考えを言えた方がいいんじゃないか・・・・と会社には内緒で、勝手にミニ作文を書かせたり、ちょこちょこいろいろなことをやっていました。

そんななかに、子供たちの生き生きした表現を読むのが非常に楽しみだったりしたのですが・・・・。
国語の授業やテストで問われるのはこんなパターンがほとんどではなかったでしょうか。


・指示語を問う問題。
下線部これ、が示す部分はどれですか。1~4から選びなさい。
・理由原因を問う問題。
下線部が・・・なのは、どうしてですか。1~4から選びなさい。
・本文の要旨とあっているものを1~4から選びなさい。
・(    )にあてはまる接続詞を1~4から選びなさい。

などなど。読ませるものが論説文であれ、随筆文であれ、
小説であれ、設問内容はさほど変わりがありません。

実は、外国人のための日本語能力試験も読解部分は旧2級以上はほぼ、こんな感じです。
(今年の7月から日本語能力試験は新しくなり、レベルがN1,2,3,4,5になりました)

非漢字圏の欧米系で2級レベルまでいける人は、そう多くありません。
2級程度の読解に取り組むには最低1000字の漢字を習得しなければならないからです。
30文字以下のアルファベットで全てを表記できる国の人からしてみれば
1000字も覚えてやっと半分・・・なんて大変だと思います。

で、彼らがこの日本語の読解に非常に苦戦するわけです。
語彙も理解した、文法も理解した、わからない言葉は一つもないのに、わからない。
という状況がたまに起こります。原因は様々です。語彙を勘違いしている、文法を違う意味で解釈している、文化的な背景で理解できない・・・などなど。

でも、こうなるとどうやって理解を助ければいいのか、
そもそも”読解を教える”ってなんなのか
手応えがなくなり、ずっと方法を模索していました。

この本に出会い、日本と欧米諸国では”読み方”そのものが違うということに
気付いたのです。読むなんて、ただ始めから文字を追って読み進めていけば
いいと思っていたのですが・・・。本当に愕然としました・・・。

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