声の記憶

iPhoneのボイスレコーダーをふと聞いてみました。

日本語のレッスンを録音したものが
いくつかあり、なかにはもう帰国してしまった人の
懐かしい声も。

記録には残っていないけれども
記憶に残っている声や会話も多いです。

10年ほど前、生徒さんがほぼ全員フィンランド人だったころ
割と物静かな人が多いお国柄のなか、1人だけ
常にマシンガントークの元気な女性がいました。

日本が大好きで、日本語のレッスンもすごく熱心でした。
旅行が大好きで、帰国してからも旅行の先々から
絵葉書をくれました。

2年前の2008年、日本に遊びに来て
一緒に中華街に行ったり、千葉のほうにドライブしたりも
しました。フィンランドにはあまり高い建物がないらしく
ランドマークタワーの展望台にも大はしゃぎだった彼女。
3日目にアクアラインをドライブしようって約束していたのですが
乳癌の闘病中だったために、体調がすぐれず
その計画はキャンセルになりました。

また来たら一緒に行こうって約束していたんです。

facebookで彼女が「これから二回目の化学療法に入る」という
投稿があったのが11月下旬。

元気にしているかしら・・・と彼女が好きだったEXILEが
レコード大賞を取った時にメールしなくちゃ・・・と
思っていた年明け。

facebookに彼女からメッセージが届きました。
でも、そのメッセージを送ってきたのは本人ではなく
彼女のお姉さんからでした。

彼女が天国に行ってしまったというメールでした。
年明けに2日連続で日の出を見て、
Life is shortという言葉が私の心に浮かんだのは
彼女からのメッセージだったのかもしれません。

レッスンが終わっても「今は友達ね」と言ってくれた
人を亡くしたのは初めてでした。
彼女のマシンガントークや笑い声がまだ
耳の中にしっかり残っているのに
彼女にはもう会えないのだとはとても信じられないのです。

日本が大好きだった彼女の写真を私の部屋に飾りました。
今度アクアラインをドライブするとき、一緒に行こうと思っています。

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