型は骨。骨は自分。

たまに「帰国子女ですか?」と聞かれます。
いえいえ、私は外国で暮らしたことも留学したこともありません。
18歳までまったく聞き取れも話せもしませんでした。

大学で日本語教育を学びながら、外国語を習得するための理論から
自分なりに実践的な方法を探り、あらゆる方法で自分で自分を動物実験(笑)。
ま、でも大学で学んだことはごくごく僅かなことです。
現場で学んだ事に比べると。

日本語教師になり、毎日外国人と関わる生活になり、特に欧米系の
ビジネスマンに教え始めてから、彼等の学びのスタイルに、
今までの「教える」という感覚から、大きく脱皮せざるを得なくなりました。

今から思えば、ヨーロッパの人が多かったのがよかったのかもしれません。

基礎の文法の段階で、最小のインプットで最大のアウトプットを狙う
彼等のコミュニケーション方法に、目からウロコ。
最初は欲張らないのです。

発音、挨拶、ちょっとした一言。雑談。

徐々に徐々に、足元を固めて行く。
話しながら、聞きながら。
完全に噛み砕き、自分の言葉になるまで。
自分の血や肉になるまで。

日本人の英語は この段階で、書くだけ、読むだけ。復唱するだけ。
「話さない」のだと思います。
そして、足元を固めないまま、知識だけをどんどんどんどん。
発音記号を四択問題で、正解!達成感!
それがたとえ、発音出来なくても。
shouldの書き換え問題。ought toではい正解!
いつshouldを使うのか考える機会さえ与えられない。

足元から語学の型を固めて行くとき、軸になるのは自分。
自分が何を言いたいのか。
自分が何を伝えたいのか。

ヨーロッパの人が慣れているのは、
基礎段階で言えることを体感的に理解していることだと思います。

この型が日本人が英語を、(他の外国語でも同じですが)話そうとするときの
鍵になるだろうと思います。

語学の型は語学の骨のようなもの。骨は最終的には自分自身。
語学は自分自身だと思います。
自分自身は母国語。
日本語で自分の意見や考えが表現出来なければ
英語で話せるのも、日本語で自分ができる範囲内でしょう。

今、英語のレッスンしているのは
日本のビジネス界でバリバリ働いているすごい方たちです。
骨はある。自分自身もすばらしくある。
さあ、型をどうやって作って行きましょうか。

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