表現しきれないフラストレーション

学生の頃、ある辞書を愛用していました。

「日本語教育辞典」

愛用というと大げさですが、折にふれ確認することがあるので
今でも捨てられない辞書です。マイナーすぎて
電子辞書にもならないし!

いつも具体的な数字を忘れてしまうのですが、
ここに書いてあったことを思い出しました。

何の数字?

外国人が日本語を90%以上理解するために必要な語彙数です。

日本語は10000語必要と言われています。
(1956年の国立国語研究所による調査結果)
外国人のための日本語能力試験の1級の語彙数の基準も10000語です。

日本人の保有語彙は

小学校卒業時 20000語
中学校卒業時 36000語
高校卒業時  46000語
成人期     48000語

一般的には40000語程度で、
また、日本語を100%理解するためにも
40000語必要なようです。

この辞書によると、90%日常会話を理解するための語彙数は

英語      3000語
フランス語  3000語
スペイン語  4000語

つまり語彙数という点では日本人にとって英語は簡単なはず?
とは単純には言い切れないかもしれません。

例えば、feel badという英語表現の使用範囲がとっても広いことに
え、それも?と出会うたびに驚いていました。

私の気付いた限りでは、気分が悪い、感情を害する、
後悔する、と・・・日本語でははっきりと使い分けるところを
一つの表現で行くのです。(もちろん英語でも、
他にもいろいろありますが!)

日本人にとっての英語の難しさの一つは、
”表現したいことを言い切れないフラストレーション”が
あることだろうと思います。

日本人が日本語で考えたものをそのまま英語にすると
非常に英語になりにくいのは、語彙数が多く使い分けが
よく言えば繊細?だからという要素も一つあると思います。

でも、get angry, fury, mad, fit in a rage, upset, feel bad,
”怒る”の語彙数は日本語よりとっても多い気がします。(笑)

「日本語には言葉が多いんです。」というと
「ドイツ語にも言葉はたくさんある!」と必ず言い返されていましたが、
いつもこのデータの具体的な数字を忘れて論破できず・・・。

90%理解するためのドイツ語は5000語だそうです。

ふふふ、日本語は二倍なのです。

でも、私のドイツ語は90%には程遠い・・・。

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