辞書のすきま

私の初級の生徒さんがよく言うのが「週末は友だちを訪問しました」理解できるし間違いとも言えないのですが、特に会話ではそういう言い方をネイティブはしないですよね。それでも毎年毎年、そう言う生徒さんに出会うんですが、犯人は辞書です。visitやbusuchenを引けば、hoomon suru と書いてありますからね。辞書はもちろん正しいのですが、辞書には沢山隙間や落とし穴があり、実際に使ってみてネイティブに違和感のある顔をされたり、通じなかったりそういう経験を通してその調整をして辞書には載っていない”語感”を身に付けていくのが語学の楽しみの一つかなと思っています。
 先日、「辞書のすきま」に触れる機会がありました。ドイツ語のgeniessenです。私がこの単語に出会ったのは数年前。独逸学園でのゼミナールで。先生が”ワインをgeniessen, 休みをgeniessen"と説明してくれ”あ、楽しむ!”だな・・・enjoyだな・・と私の頭にインプットされ、その後は割と使う語彙の一つに。でも、この前のドイツ語のレッスンで私が”相撲をgeniessen"と言ったら、先生が変な顔を。先生が”僕の生徒はみんなgeniessenをよく使うんだけど、どうしてかな・・・。geniessenはそんなときには使わない、ロックコンサートやパーティーなんかも合わないんだよね・・なんかこう頭を使ったり、がんばったりするものじゃなくてリラックスして楽しめるものに使うと合うんだけど・・・。” ははぁ、これで納得!です。
日本語で”楽しむ”は”ボクシングを楽しむ””語学を楽しむ”結構幅広く使えますが、ドイツ語のgeniessenはもっと使用領域が狭いのです。こういうネイティブの語感に出会う瞬間に大きな喜びを感じます。ドイツサロンで”辞書のすきま”体験を情報交換しませんか。一気にネイティブ度があがること間違いなしでしょう!;D

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