心機一転

最近、十数年ぶりに引っ越ししました。

生徒さんの夏休みである閑散期に
ちょうど重なっているので、今は引っ越し後の
荷物の整理に追われる日々。

私の仕事部屋は日本語の教科書でいっぱい。
日本語の教科書は新しいものがどんどん
出てくるので、ちょっといいと思うと、すぐに買ってしまいます。
その時代によっても流行り廃りもあり、
ああ、この頃はこういうのが流行っていたとか・・
昔のものを見ると懐かしい!というものも。

でも、たくさん持っていても教科書というのは
あくまで、教科書に過ぎず、特に欧米系の生徒さんは
教科書通りのレッスンでは立ち行かない場合が多いです。

教科書もやるけれども、それよりも大事なのは
まず自分の言いたいことを表現すること。
少し習うと、はじめは英語や母国語で考えた
日本語で話し始めますが、こちらで英語と日本語の住み分け
ニュアンスの違いを補足説明していくと、だんだんに日本語の
感覚をつかんでいかれます。数ヶ国語できる方は
A=Bではないという語学の基本体質をお持ちなので、
その辺が伝わりやすいですが、日本語を一語一語、
分析して、こまかくこまかく理解したがる人は
挫折する場合が多いようです。

今では特に”教科書はなんでもいい”という考えになりました。
生徒さんに合わせたオリジナル教材もあまり苦になりません。
一番凝っていたころは、一人ひとりに合わせた完全オリジナル教材とか
作ってましたねぇ。うわ、やっぱり私は日本人です(笑)
でも、そういうマメさは仕事以外では一切ありません。
究極的なめんどくさがりですから。

最近、以前に数年担当していた生徒さんと一年ぶりに再会。
一緒に担当していたペアの先生と3人で。
彼女は中国へ赴任が決まり、現地ですぐに中国語のレッスンを
受け始めたそうですが、

”私にとってどんな方法が一番いいかとか、そういうことは
全然考えていなくて、全部がオートマティック。はい、今日は1課の
ここをやりますって、それだけ。3回でやめましたよ。先生は大切ですねぇ”
(ってもちろん全部日本語で)

”ほっほっほ!そうでしょそうでしょ!まぁねぇ!”
と腰に手をあて私たちは”偉そうポーズ”をとり
3人で大笑いしていました。

彼女が中国語をやめてしまったのは残念ですが
非常に励みになるコメントでした。

彼女は日本語を見事にマスターしたので
この3人タッグが復活することはありませんが、
願わくば私の日本語教師史上、大変だったけど
最も楽しかったこんな仕事が、またいつかできるといいなって思っています。

二人で相談して彼女のためにいいと選んだ一冊の教科書が
あります。彼女が”これ、大好きですぅ”といとおしそうに抱きしめていた
のが懐かしい。そういういい思い出の教科書がまた一冊、また
一冊と本棚に増えていけば・・・

引っ越しして本棚も増えました。

もう少し落ち着いたらまたじっくり本を読みたいものです。

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