起承転結とオチ

日本語レッスンの生徒さん、日本で日本語で笑いをとるのに
苦戦する方が多いです。

暑い日に「今日は寒いですねぇ。」と言ったり
「大井さんという名前は多いですね。」というダジャレ系だったり。

あと小話系のジョークも。

この前、聞いたドイツのジョークは

男が馬小屋の持ち主に聞いた。「お宅の馬は煙草を吸うのかい?」
馬小屋の持ち主は答えた。「まさか?どうして?」
男は答えた。「じゃ、お宅の馬小屋は火事だね。」

というもの。一瞬、まったく理解できず、少しあとでああ!
と理解出来る感じ。

日本人はユーモアがないと言われるのは非常に残念で
いつも反論します。

反論するためにずいぶん前に私なりに考えた「日本人の笑いのツボ」は

「最初から最後まで一貫して筋が通っているのだけれど
一番最後に予期せぬ驚きがあるもの。」

だから、反対の意味を言うだけだったり
ダジャレを言うだけだったりするのは
日本人には単純すぎて面白くないんですよ!

コウショウのように(確か)48の同音異義語があるものも
あるんですから、ちっとも知的なジョークじゃないんです!という感じで。

ドイツのジョークを日本人に紹介して特に気付いたのは
「筋が通っている」ことの大切さ。
あり得ないことはダメなんですね。
「馬が煙草を吸う」とか。

そして、ずっと疑問だったのは上に書いたような
小話系のジョークがどうして日本で発展しないのか。

その理由がやっとわかりました。

小話系のジョークを話す状況でした。
それを話し始めるとき、「ちょっと面白いジョークがあるんだ」という
一言が必ずあるんです。

という事は「今から面白い事を言います。」と言われているようなもので
(昔、そういうお笑い芸人いたような。。。)
最後にオチが来る事を始めに宣言されてしまっているようなもの。
驚きようもないし、つまり無粋なんですね。たぶんそしてちょっと興ざめもするような。

日本には小話系のジョークが無いと言うと、落語は?ともよく言われるのですが、
落語は普通の人が面白い落語があるんだっていって、友達同士で絶対紹介しないと
思いますし、長いというのも。
それに、噺家さんだって今から「猫の皿」やりますって言わずに
自然にネタに入るための枕から入っていく、それも含めての芸になっていると
思うんです。

日本人を日本語で笑わせるためにはやっぱり起承転結型論法の練習ですかね。





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