日本語脳をこわすコツ

今でもはっきり覚えている初めての外国語との出会い。

12才で英語の勉強が中学で始まったときのことです。

12才の私は
「要するに新しい言葉を覚えていけばいいわけでしょ」と
高をくくっていました。

そしてまず語順が違うことを知ったときの衝撃。

「おおお!これはそう一筋縄ではいかないぞ!」
と子供心に思ったものです。

でも、このときの私はまだまだその程度の違いしか
把握していませんでした。

以来、自分の頭の中にある日本語の地図に、
新しい外国語の地図を時間をかけて上書きし、
それを共存させて行く作業の繰り返しをしてきているのだと
思います。

「東京」を表す地形が、ある言葉の使用範囲だとすれば
それがぴったり同じ外国語などは殆どなく、ある部分は重なるけれども
重ならない部分ができてくるので、違う地形を重ねて
ずれる部分の感覚を研ぎすませて行く、気の遠くなるような作業。

地図が重ならないときに感じる違和感は違いを知るチャンスで
ここで拘泥することは「母語で理解したい」という脳のわがまま?
でしかないので、「じゃ、どうちがうのか」と気持ちを切り替えるのが
コツなんですが、外国語習得に慣れている人はここでだいたい
目がキラキラっとして、慣れていない人は母語に固執するか頭を抱えちゃうんです。
だんだんコツはつかめると思いますけどね。

でも、日本語学習の場合、何カ国語も話せる人でも
頭を抱えちゃう事、結構ありますけどね。
だからその逆もそうなんだろうと思います。

極東の離れ小島で外国語を勉強する難しさは
「経験によって違いを知る機会」が極端に少ない事だろうと
思います。

ただインターネットの普及によって工夫次第で
以前よりはそういう機会も増やせるでしょうね。

外国語の地図は日本語の地図と全然違うのだと予め覚悟しておくと
楽かもしれません。巷でよく言う英語脳を作るためには
まずは日本語脳をこわすような感覚から始めて行くと
いいのではないでしょうか。








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